マンガン ピンク・オレンジの石

宝石を幅広く表現することばとして「ジェムストーン」がありますが、この言葉には4大(も しくは5大)宝石のほかに、半貴石、オーナメントストーンなど多岐にわたる″宝石″が含まれます。 その中でもピンク系の石といえば、4大宝石にもピンク サファイアがあり、ピンクトルマリン(ルベライト)、ピンクベリル(モルガナイト)などの名前が次々と頭に浮かんでくることでしょう。

もちろん、半透明、不透明な石では、ロードクロサイト(インカローズ)、ロードナイト(薔薇輝石)、チューライト(桃簾石)、イネス石ほか、多くの ピンクの宝石があります。こうして並べてみますと、いずれも清楚でカワイイというイメージですが、ときにインパクトも感じられる、けっして弱弱しい色では ありません。

実は、上に紹介した7種類の石のうち、ピンクサファイアを除くすべての宝石に、マンガンイオン(Mn2+)が共通の発色成分として含まれている、と はちょっとした驚きでしょう。乾電池や特殊鋼にはいっているマンガンとは、イメージが結びつきにくいのですが、ジェムの世界では、非常に重要な着色成分で あることは強調されるべきでしょう。
写真による実例を少し紹介します。

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写真1はインカローズ的なロードクロサイトの原石ですが、産地は青森県尾太鉱山です。


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写真2はロードクロサイトの単結晶と研磨品です。単結晶は米国コロラド州産、研磨品は北海道稲倉石鉱山のものです。


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写真3はオーストラリア産のロードナイトとガレナ(方鉛鉱)の集合体で、右は京都府法花寺野鉱山で採集したものです。


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写真4の左は愛知県田口鉱山のパイロクスマンガン石で、右は同石の研磨品(ブラジル産)。


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写真5はイネス石の原石とその研磨品ですが、静岡県下田市河津鉱山掛橋坑で採集したものを磨きました。研磨品の左下に黒くて細いスジが見えますが、これは銀の硫化物が集まった″銀黒″と呼ばれる部分で、たまに山吹色の自然金がチカーと光っていることがあります。


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写真6はヒスイ海岸として有名な富山県宮崎海岸で採集されたチューライトです。和名は桃簾石といいますが、鉱物としてはゾイサイトかクリノゾイサイトかのいずれかです。


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写真7はピンクトルマリン(ルベライト)です。いずれもブラジル産ですが、ウォーターメロン以外はミナスジェライス州クルゼイロ鉱山のものです。チューライトとルベライトはいずれもマンガンが主成分で入っているわけではありませんので、このような発色を他色(仮色)といいます。ロードクロサイトなどは自色の代表ですが、詳しくはセミナーでお話します。
最近、オーストラリア産の研磨石で「オレンジ色のロードナイト」がある、と聞いたことがありました。その後、ロードナイトではなくて、南部石だったらしいと聞いて、納得しました。2価のマンガンイオンにはオレンジの発色もあるのです。


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写真8のサペルティンの結晶と研磨石です。南部石は日本産新鉱物ですが、命名の由来とはセミナーにてお話します。



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